ギリシア共和国 Hellenic Republic


 

交  通  日本からギリシアへは乗り継ぎ便を利用
 イスタンブールから空路で約1時間半。カイロから空路で約2時間 
気  候  地中海の温暖な気候で過ごしやすく、気温は東京に比べて高め
通 用 語  ギリシア語(公用語)、観光地では英語・仏語・独語も通用します
通  貨  ギリシア・ドラクマ (100Drs=約30円) / ユーロ  (1ユーロ=約110円)
宗  教  国民の95%がギリシア正教を信仰
時  差  −7時間。サマータイム時(3月末〜9月末)−6時間。
お 土 産  アクセサリー、陶器(絵皿など)、革製品(靴、バッグ)、毛皮など

 

【総 論】

■ 料理

 ギリシア料理はオリーブ油をたっぷり使います。名物料理には次のようなものが。
タラモサラタ(タラコ・マッシュポテト・レモン汁・オリーブ油を混ぜたもの)、ドルマデス(米にひき肉と野菜を混ぜて、ブドウの葉で包んで焼いたもの)、ムサカ(ナスとひき肉の重ね焼き)、スブラキ(肉や魚の串焼き)、レツィーナ(松ヤニが入ったギリシア独特のワイン)、ウゾ(水と混ぜると白濁する蒸留酒)など。
 街にはタベルナと呼ばれる居酒屋風レストランがたくさんあります。郷土料理&ギリシア産のワインや酒を出しており、気取りがなく値段も安いです。店によって民族音楽ブズキの演奏や、フォークダンスのショーを見せるところもあります。ギリシア人の夕食は遅く、夜9時ごろから町へくり出して仲間や家族達と陽気におしゃべりしながら、時間をかけて楽しんでいます。

マナー

 ギリシア国民は大半が敬虔なギリシア正教徒です。教会は観光地として人気が高いのですが、お祈りしている人の前をむやみに横切ったり、フラッシュをたいて写真を撮るなどの行為は慎みましょう。

■ シエスタ

 ギリシアにはシエスタ(昼寝)の習慣があります。商店の中には13:30ごろから17:00まで休むところもあります。

 

【アテネ】

 アテネはギリシア神話に出てくる知恵の女神アテナの名にちなんで付けられたヨーロッパ最古の歴史を誇る街です。市内を歩いているうちに古代、ビザンチン時代、近代、とそれぞれの時代の遺産がまるでパズルのように現代の風景に混ざり合うこの街の不思議な魅力に気づくはず。

■ アクロポリスの丘   8時〜19時 2000Drs(アクロポリス博物館と共通)

 「上の都市」という意味のアクロポリスの丘は、アテネのシンボルとして街の中央にそびえ、市内のどこからでも見えます。中でも、圧倒的な存在感を誇っているのがパルテノン神殿です。オデイオン(音楽堂)は1951年に修復され、今でもギリシア古典劇、コンサート、オペラが上演されています。
 前門近くにあるのはアテナ・ニケ神殿。ニケというのは翼を持った勝利の女神ですが、アテネの人は「勝利が永遠にアテネに留まっているように。どこにも飛んでいかないように」と、この神殿に翼のないニケを祀ったそうで、「翼なき勝利の女神」神殿とも呼ばれています。

パルテノン神殿

 紀元前5世紀に完成したこの神殿には、ギリシア神話に登場する全能の神ゼウスの娘で、アテネの守護神である知恵と戦いの女神アテナが祀られ、当初は黄金と象牙で覆われた高さ12メートルの巨大なアテナ像があったそうです。
 この神殿はギリシアの歴史とともに数奇な運命に翻弄されてきました。ローマの支配によってキリスト教の聖堂に改修され、オスマン・トルコの時代には火薬庫や兵舎、ハーレムにさえ使われたそうです。さらに19世紀初頭にはイギリス人大使エルギンの手によって、多数の彫刻や浮き彫りがロンドンに持ち去られ、その後イギリスに買い上げられましたが、ギリシアは現在もそれらの返還を求めています。現在、大英博物館には「エルギン・マーブルコレクション」と呼ばれる4つの展示室があり、そこに彼が持ち去ったギリシア美術が展示されています。

エレクティオン

 パルテノン神殿の向かい側にあるエレクティオンは、女神アテナや海神ポセイドン、ポセイドンの息子エレクテウス、火と鍛冶の神ヘファイストスと複数の神をを祀った神殿です。神話によれば、その昔、アテネの守護神の座を巡ってアテナとポセイドンの間で争いが起き、ポセイドンが三叉の矛でアクロポリスの岩を突き刺すとそこから海水が噴き出し、一方、アテナがその矛で大地を突き刺すとそこにオリーブの木がすくすく育ったそうで、神々は人間の役に立つオリーブをもたらしたアテナを勝利者に選び、アテネ市民はこれに感謝し、伝説の場所であるこの地に神殿を築いたのだそうです。神殿の中庭にはその聖なるオリーブの木が植えられています。
 この神殿は美しい乙女の姿をした6本の柱「カリアティード」が印象的。ただし現在の像はコピーで、オリジナルの5体はアクロポリス博物館、1体は大英博物館にあります。

 

■ オリンピック競技場

  1896年、第1回近代オリンピックが開催されたスタジアム。細長い馬蹄形の競技場で、古代の競技場跡に建てられました。右の写真はアテネの空港で、2004年のオリンピックの旗が飾ってありました。


■ 大統領官邸

 王宮として建てられたものですが、現在は大統領官邸として使われています。運が良いと、シンタグマ広場前で行われる民族衣装を着た衛兵の交代が、こちらでも見られます。

アテネの全景を望むならケーブルカーでリカビトスの丘に上りましょう。アテネで一番高い見晴台で、アクロポリスは勿論、その向こうに真っ青なエーゲ海を眺めることができます。

 

【スニオン】

■ ポセイドン神殿

 アテネから南東に約70キロ、美しい海岸に沿った道を車で約1時間ちょっと走ると、スニオン岬のポセイドン神殿に着きます。紀元前5世紀、アテネのパルテノン神殿とほぼ同時期に建てられました。
 神殿にはどっしりしたドーリス式の柱が15本残っています。この柱にはここを訪れた人のサインがいくつか落書きされていて、その中にはギリシア愛好家だったイギリスの詩人バイロンの名前も刻まれています。ただし当然のことながら、現在は遺跡への落書きはご法度!
 ここを訪れるのなら、オレンジ色の空に神殿のシルエットが浮かび上がる夕暮れ時がオススメ。

 

エーゲ海1日クルーズ

【ポロス島】

 1日クルーズで訪れる島の中で一番小さくてかわいらしい島です。入り江に青い窓枠のついた白い家々がずらりと並び、思わず写真を撮りたくなる風景が広がっています。

ポロス島からイドラ島までの移動時間(約1時間)に船内で昼食を取りました。船内には乗客のスナップが貼り出される写真屋があったり、船内スタッフによる演奏や、ギリシアの民族舞踊を見たり、一緒に踊ったりで移動時間はあっという間に過ぎてしまいます。

【イドラ島】

 緑に覆われたエギナ島やポロス島に比べると、白い岩石の島という印象。海の水は非常に透明度が高く、美しい海岸に恵まれています。彫金細工などの民芸品も豊富。港町の写真を撮るなら、船のデッキからがベストです。

【エギナ島】

 サロニコス湾の真ん中にある湾内で一番大きな島で、イドラ島、アテネの港から約1時間半で到着。ドーリス様式の美しいアフェア神殿は必見。オススメのお土産は特産のピスタチオで、島内のいたるところに白っぽい幹のピスタチオ林がひろがっています。殻がしっかり割れて緑の実が見えているのが美味しいピスタチオだそうです。

アフェア神殿
 アフェア女神を祀ったこの神殿は、アテネのパルテノン神殿よりちょっと前に建てられました。ギリシアの中でも美しく、非常に保存状態の良い神殿です。さらにここから見下ろすアギア・マリナ湾の眺望は素晴らしく、天気の良い日にはアテネまで見えるそうです。

アギオス・ネクタリオス修道院
 港とアフェア神殿の中間くらいにあります。ギリシア正教の大聖堂の一つで、ギリシアでも最近の聖人ネクタリオス(1920年没。奇跡の治癒の神として崇拝されているそうです)を祀っています。

 

エーゲ海クルーズはギリシア観光のハイライトといってもいいでしょう。時間に余裕のある人はサロニコス湾から出て、エーゲ海の真ん中まで足を伸ばすのもGood!ミコノス島、サントリーニ島、ロドス島などをゆっくり巡るクルーズは、島での滞在は勿論のこと「豪華客船の船旅」気分も満喫できるでしょう。ちなみに日差しが強いので日焼け対策はお忘れなく。

この情報は2001年3月時点のものを基本としています。
<2004年6月更新>


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